建設・環境工学専攻
人、物、空間の快適な関係を追求する
本専攻の特色は、人間にとって最も望ましい生活環境の創造を求め、従来の建築学・土木工学の領域を研究教育の対象とし、 さらに両分野の技術的な融合発展を進めることによって、高度な専門職業人を養成することを目標とします。 本専攻には、建築物・構築物の安全性を担う構造工学、各種構造実現の基礎となる材料工学、建築物・土木構造物に対する各種の企画や計画を担う計画学、建築物・構造物を取り巻く環境工学の4専修を設けました。 ここでは、専攻分野に関する高度な学識、応用能力、技術者倫理等を養い、高度専門職業人養成を目指します。
概要
1) 建設構造工学専修
建築物や土木構造物を日常的継続的に使用していく上において、その安全性は最も重要な課題です。 また、近年我が国で発生した巨大な自然災害は、改めて建築物・土木構造物のより安全なあり方を求めています。 この専修では、学部に設置された建築・社会基盤学系の教育成果の蓄積に立って、国際的水準にある構造工学を建築物・土木構造物の安全性を中心課題として探究します。この専修には、鉄筋コンクリート工学、地盤工学、構造物基礎、構造力学等の学科目を開設します。
2) 材料施工学専修
建築・土木の工事において、そこで使用される材料は、建築物、土木構造物等の安全性、耐久性、美観等において重要です。また、建築・土木工事において大量に使用される材料の内、コンクリート用粗骨材・細骨材などは国内において枯渇する状況にあり、これに代わりうる材料の開発が求められています。 このような環境下において、本専修では建築・土木の分野で使用されるコンクリートなどの材料の特性を、実験室及び野外における実験・調査分析等により探究します。この専修での教育目標を達成するために、建築材料、建築施工、コンクリート工学等の学科目を開設し、合わせて他専修に開設された建築・土木分野の学科目の学修を通じ総合的な学識を涵養します。
3) 建設計画学専修
国内外の各種建築物、土木構造物を企画・設計し、それを施工して実現する一連の企画は"計画学"が担っています。この一連の作業をデザインとする場合もありますが、狭義のデザインについての歴史、美学、視覚心理の国際的な理解及び材料や構造の理解などが必要とされます。 この専修においては、都市計画、都市景観、市街地整備、建築史、建築計画等の学科目を開設し、合わせて他専修に開設された学科目の学修も含め、創造性豊かな高度専門職業人を養成します。
4) 環境システム工学専修
地球環境を重視する時代にあって、広義・狭義の環境のあり方が国内外の重要な課題となっています。この専修では建築物の内外部環境(空気・水・音・熱・光・植生)はもとより、土質、河川等の環境も専修の研究分野としています。学問分野の学際化・融合化を踏まえて、より安全で快適な環境のあり方を探求します。 この専修には、建築環境工学・建築設備・流体力学・土質工学等の学科目を開設し、合わせて他専修に開設された学科目の学修も含めて総合的な学識を涵養します。